| Project | ヒュームフード「LOTUS」 |
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| Release | May 23, 2025 |
PROJECT STORY
インダストリアルな雰囲気の中に、ふと感じる有機性。
研究者を守るための設備だからこそ、
細部にまで配慮を行き届かせた
集中と癒しが同居するプロダクトを目指しました。
映画「007 私を愛したスパイ」の中でジェームス・ボンドが乗っていた車をご存知ですか?フロントライトからはマシンガンが放たれ、海にダイブしたら潜水艦に変わる、衝撃的な「ロータス・エスプリ」です。男の子なら誰もが憧れるあの車のようなヒュームフードをつくりたくて、最初に「LOTUS」と名付けようと決めました。
泥の中から清らかな花を咲かせる蓮(ロータス)は、仏教において世俗や煩悩を超えた悟りの世界を象徴します。僕にはちょうどそれが、過酷な環境下でも信念を持って研究に打ち込む研究者の姿にも重なって思えた。研究者の安全を守るヒュームフードという装置には、なおさらぴったりの名前だな、と。
研究するときの気持ちをモチベートするかっこよさと、過酷な環境から研究者を守る安全性。この2つが、「LOTUS」の大きなテーマになりました。

ヒュームフードは、装置内の気流をコントロールすることで有害ガスから作業者を保護するための装置です。つまりここで作業をするときは、危険や薬品などを用いる、きわめて集中力が求められる場合がほとんど。それを考えたとき、僕はまず作業者の視線の動き注目しました。
通常、ヒュームフードの風速を確認するためのコントロールパネルや調整バルブは、装置の上部やサイドについています。でも危険な作業をするとき、手元から視線を大きく逸らすことはできれば避けたい。そこで「LOTUS」では、作業台の前面にコントロールボックスを設け、パネルとバルブを配置しています。それにより、最小限の視線の移動で風速を確認・調整できるのです。
本体の側面をガラス仕様にしたのも、視線と関係があります。周囲への視認性を高めることで、作業中でもラボ内の様子の変化に気づけるようにするためです。また、稼働中は上部の木目部分にライトが灯るようになっていますが、これも意匠性からこうしただけでなく、遠くから一目で「いまヒュームフードを使って作業している人がいるな」と分かるようにするためです。

「LOTUS」を包むのは、スポーツカーを彷彿とさせるメタリックな色合いと質感。僕が憧れたあの車のような、インダストリアルでクールな佇まいを基本としています。でも角には丸みを持たせ、上部には優しい木目のラインでアクセントをつけました。これは研究というシーンを考えたとき、過度な緊張感を与える冷たさがあると、かえって作業効率を削いでしまうからです。
手前のサッシを開け閉めするバーの部分も、握りやすいよう形状に丸みをつけ、表面にはシボ加工も施しています。シボ加工は手触りを良くするだけでなく、汚れや薬品の付着を抑える効果も狙ってのこと。作業中は庫内にさまざまな装置が置かれますが、電源が必要なときには前面のコントロールボックスを手前に引き、そこを通してコンセント電源を供給できる構造になってます。コード類がごちゃつかず配線できるので、見た目はもちろん、安全性も高まりました。
インダストリアルなかっこよさと、人への配慮から生まれるあたたかな有機性、そして安心感。それらのコントラストが魅力となった「LOTUS」は、ラボでの実験時間をこれまでとは少し違うものに変えてくれるかもしれません。
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